私たちの日常生活において、照明はなくてはならない存在です。単に空間を明るく照らすだけでなく、心身の健康を支える重要な設備でもあります。そして理想的な照明計画には、どこにどのような照明を配置するかがカギとなります。

そこで本記事では、照明の種類や効果について徹底解説！さらに色温度や機能性など、ワンランク上の空間づくりのポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

まずは基本的な8つの照明と、その特徴について解説します。

「リラックスできる空間にしたい」「料理が映えるダイニングにしたい」「集中して勉強ができる部屋にしたい」。このように空間づくりに要望があるなら、照明の「色温度」にも注目しましょう。

色温度とは、光の色合いを表す指標のこと。K（ケルビン）という数値で表され、以下の4つの種類に分けられます。

• 電球色（2700K〜3000K）
• 温白色（3500K）
• 昼白色（5000K）
• 昼光色（6200～6500K）

それぞれどんな色なのかを、おすすめの場所と共にご紹介します。

電球色は、オレンジがかった温かみのある優しい光です。夕暮れ時の太陽の光に近い色合いで、心地よい安らぎを感じさせます。

【おすすめの場所】
リビングや寝室などのくつろぎ空間、落ち着いた雰囲気のダイニングなど

温白色は、電球色よりも明るく、かつ落ち着きのある光です。自然な温かみを感じられるので、くつろぎながらも明るさが必要な空間に向いています。

【おすすめの場所】
リビングでの家族団らん、ダイニングでの食事など

昼白色は、太陽光に近い光です。生き生きとした自然な光ではっきりと物の色が見えるため、細かな作業や色の識別が必要な場面に適しています。 

【おすすめの場所】
キッチンでの調理作業、洗面所での身支度、来客を迎える玄関など

昼光色は、青みがかった最も明るい光。すがすがしく清々しい印象を与え、物がくっきりと見えやすいのが特徴です。

【おすすめの場所】
書斎や子ども部屋など読書や勉強をする空間、在宅ワークスペースなど

最近では、私たちの暮らしをより快適にする、さまざまな機能がついた照明が登場しています。以下で代表的な機能をご紹介しましょう。

人感センサー機能は、人の動きを感知して自動的に照明をオン・オフしてくれる機能。自動で点灯してくれて便利なだけでなく、消し忘れも防げるため、省エネ効果も期待できます。

照度センサー機能は、周囲の明るさを検知して、必要な明るさを自動調整してくれる機能。例えば、夕方になると自動的に点灯し、朝になると消灯するといった具合です。日が暮れても明るい環境を保てるので、ペットのお留守番時にも活躍します。

調光機能は、照明の明るさを自由に調整できる機能です。例えば、勉強するときは明るめにする、夜寝る前は少し暗めにするなど、必要に応じて明るさを変更できます。

調色機能は、1台の照明で複数の色温度を切り替えられる便利な機能です。例えば、朝は爽やかな昼光色で1日を始め、夜は温かみのある電球色でリラックスするなど、時間帯や用途に応じて光の色味を変えることができます。

タイマー機能は、設定した時間に自動でオン・オフしてくれる機能。例えば、帰宅時間に合わせて点灯したり、就寝時間に合わせて消灯したりと、生活リズムに合わせた照明コントロールが可能です。消し忘れ防止に役立ち、電気代の節約にも繋がります。

最近ではIoT機能により、スマートフォンと連携して照明をコントロールできる製品も増えてきました。外出先からでも照明の操作が可能なため、帰宅時に明るい家に迎えられる安心感があります。他にも寝室の照明を徐々に暗くして就寝に備えるなど、よりきめ細やかな照明コントロールが可能です。

照明の種類や明るさ、機能が分かったところで、最後に場所別の照明選びのポイントを見ていきましょう。従来のような一室一灯の照明計画ではなく、空間の用途や目的に合わせて必要な場所に必要な明るさを設定する「適所適光」の考え方を基本に、各場所におすすめの照明プランをご提案していきます。

玄関は家族や来客を迎える最初の空間であるため、家に入るのがワクワクするような、明るく温かな雰囲気づくりを心がけてください。

具体的には、ダウンライトを基本に、アクセントとなるペンダントライトを組み合わせるのがおすすめです。人感センサー付きを選ぶと、夜帰宅した時も勝手に明かりがつくので利便性も高まります。

LDKは、L（リビング）D（ダイニング）K（キッチン）の3つのエリアで照明計画を考えるのがポイントです。

例えばくつろぎの場所であるリビングは、ダウンライトを基本に、間接照明を組み合わせるのがおすすめ。ダイニングでは、食事をより美味しく見せる電球色のペンダントライトが映えます。一方キッチンは、包丁や火を使う場所なので、手元をしっかりと照らす昼白色の照明がおすすめです。

調理・食事・団らん・くつろぎなど、さまざまなシーンが想定されるLDKでは、特に「適所適光」の考え方が重要になります。それぞれのシーンに合わせて最適な照明・明るさ・色温度を設定すれば、同じLDKでも違った表情の空間を演出できるでしょう。

子ども部屋の照明には、調光・調色機能付きのシーリングライトがおすすめです。昼間の遊び時間には昼光色で明るく、夜は電球色でリラックスできる空間に切り替えられます。学習机には、集中力を高める昼光色のデスクスタンドも併用しましょう。

寝室は心身をリラックスさせる空間づくりが重要です。メインの照明にはシーリングライトを選び、そこに間接照明やテーブルライトを組み合わせると、より落ち着いた雰囲気を演出できます。

色温度は、温かみを感じられる電球色がおすすめ。ベッドに入ったまま操作できるように、リモコンタイプの照明を選ぶと便利です。

トイレはコンパクトな空間なので、そこまで明るさにこだわる必要はありません。ただし、ホッと一息つく空間であることも視野に入れ、落ち着きのある光環境を整えましょう。

お客様も使うトイレには、小型のペンダントライトやブラケットライトなど、デザイン性のある照明を取り入れるのも素敵です。

階段や廊下は、安全性を重視した照明計画が必要です。ダウンライトやブラケットライトを複数設置することで、足元までしっかりと明るさを確保できます。

しかし、夜だと天井や壁からの光だけでは足元がしっかり見えないこともあるかもしれません。夜間の移動を考慮して、足元専用の人感センサー付きフットライトも併用することをおすすめします。

照明計画は、快適な住まいづくりに欠かせない重要な要素です。単に明るさを確保するだけでなく、空間の雰囲気づくりや機能性まで、照明には多くの役割が求められます。

照明を選ぶ際は、色温度や機能性を理解し、各空間に合った照明を選ぶのがポイント。部屋全体を明るくするのではなく、必要なところに適切な照明を配置し、生活シーンに合わせて点灯切替することで、おしゃれな光環境を叶えられるでしょう。必要な照明だけを使用することで、省エネ効果も期待できます。

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