2025.6.10 Tue
- 家づくりの疑問
夏前に行うべきメンテナンスポイント〜暮らしを育てる家守り術 〜

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建てた後に手をかけるほど、住まいへの愛着も美しさも深まるもの。特に自然素材を使った家では、季節の移ろいに合わせた小さな気配りが、心地よさや美しさを長く保つポイントになります。
今回は、夏を迎える前に実践したい住まいのお手入れ方法をご紹介します。プロに委ねるべきポイントや自然素材のメンテナンス方法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
住まいを守る「夏のメンテナンス」
家のメンテナンスというと「故障したら直すもの」と思われがちですが、実際には「不調が出る前に備える」ことが大切です。
特に梅雨や猛暑は、住まいにとって負担がかかる時期。早めの点検やお手入れは、将来の大きな修繕を防ぐだけでなく、住まいの価値を保つことにもつながります。
住まいを長く輝かせるために、以下のチェックリストを確認し、愛情を込めてお手入れをしましょう。
屋外のチェックリスト【雨・風・日差しから家を守る】

夏は突然の雷雨や台風、強い日差しなど、家の外側にダメージを受けやすい季節です。
思わぬトラブルを未然に防ぐためにも、次の4つのポイントをチェックして家を守りましょう。
雨樋・排水溝の掃除と確認
大雨や台風に備え、ゴミや落ち葉で詰まりやすい雨樋や排水溝を清掃します。詰まりを放置すると、雨水が外壁や基礎に流れ込み、劣化やシロアリを招く原因になるので注意してください。定期的に点検しておけば、突然の豪雨にも安心です。
室外機まわりの風通し確保
エアコンの室外機の周りに物や植物があると、冷房効率が下がります。十分な通気スペースを確保して風の道を作れば、冷房効率が高まり電気代も節約できます。
室外機のフィンに付いたホコリやゴミも取り除き、枯れ葉がたまっていないか、虫が巣を作っていないかなど、定期的な見回りを習慣にしましょう。
外壁の点検
外壁のひび割れや欠けは雨水の侵入口となり、建物内部の劣化につながります。特に湿気の多い梅雨から夏場にかけては、カビや腐食を招く原因にもなりかねません。
日頃から外壁をチェックし、異常を見つけたら早めに補修や再塗装を検討しましょう。
庭木の剪定
強い日差しを遮る葉は残しつつ、風の通り道を作ることで、庭全体が涼しく快適な空間になります。葉が密集しすぎると湿気がこもりやすくなるので、適切な剪定は害虫の発生防止にも効果的です。家の周囲の木々をバランスよく整えれば、夏の外回りの作業も楽になり、庭時間がより楽しくなるでしょう。
室内のチェックリスト【湿気と暑さへの備え】

夏を快適に過ごすためには、室内環境のメンテナンスも欠かせません。高温多湿の夏を心地よく過ごせるように、次のポイントをチェックしましょう。
エアコンのフィルター掃除+試運転
エアコンのフィルターにホコリがたまると、冷房効率が下がってしまいます。まずはフィルターをチェックし、ホコリがついていたら掃除しましょう。
掃除後は試運転をして、冷房がしっかり効いているか確認。問題があればプロに点検を依頼して、夏までに修理しておきましょう。
浴室のカビ対策
浴室は家のなかでも特に湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい場所です。毎日の入浴後に換気をするのはもちろん、夏前には換気扇のフィルターを外して掃除し、空気の流れを良くしておきましょう。
カビ対策には市販の防カビ剤が便利ですが、重曹とクエン酸を使ったナチュラルクリーニングも効果的です。
窓の遮熱対策
夏の日差しが強くなる前に、窓まわりの遮熱対策をしておきましょう。窓は熱が最も入りやすい場所なので、ここをしっかり対策するだけで室内温度が大きく変わります。遮熱フィルムや遮熱カーテンで室内に入る熱を減らせば、冷房効率が上がり、電気代の節約にもつながりますよ。
他にも、窓の外に簾(すだれ)を立てかけると、窓から入る直射日光をやわらげる効果が。室内の温度上昇を抑えるこの昔ながらの工夫もぜひ取り入れてみてください
網戸の破れやシーリングのチェック
網戸の点検は、夏前に必ず行っておきたいポイントです。小さな穴や破れから虫が入ってくるため、もし破れていたら、網戸の張り替えを行いましょう。
その他、窓やドアまわりのシーリングが劣化している場合は早めに補修を行ってください。気密性が高まることで冷房効率も向上し、夏をより快適に過ごせます。
自然素材へのお手入れ
自然素材の家にお住まいなら、漆喰壁や無垢床のホコリや汚れにも注目しましょう。自然素材の良さは呼吸する性質にありますが、それゆえに梅雨から夏にかけての高湿度期間には特に注意が必要です。
湿度が高まる前に表面の汚れをきれいにしておくことで、素材本来の調湿機能を活かし、長く美しい状態を保つことができます。自然素材のメンテナンスのコツについては、後ほど詳しくご紹介しますね。
専門家に依頼すべきポイント

家の構造に関わる部分や専門知識が必要な作業は、無理せずプロに依頼しましょう。 日々の暮らしでは気づきにくい箇所も多いため、定期的な点検が大切です。
屋根・外壁(高所)の点検・補修
屋根や外壁の高い場所は目が届きにくく、劣化や不具合にも気づきにくいものです。塗装の剥がれやひび割れ・コーキングの劣化など、小さな傷みも放置すると雨漏りや断熱性の低下につながります。定期的に専門の業者に点検を依頼し、必要に応じて補修を行うと安心です。
床下の換気・断熱材の状態確認
床下は湿気がたまりやすく、目に見えない所で構造材の劣化やカビが進行しがちです。梅雨から夏にかけては特に湿度が上昇するため、換気状態の確認が重要になります。
またシロアリの消毒は、一般的に家を建てた時に行われますが、その効力は約5年程度とされており、築5年以上の住宅は床下点検が推奨されます。床下の断熱材の状態も冷房効率に直結するため、ずれや劣化がないか、あわせて点検してもらうと安心です。
給湯設備・配管の点検
湿気が多い時期は、給湯器や配管のサビや劣化が進みやすくなります。日常生活の中で「お湯の出が悪くなった」「給湯器から普段と違う音がする」といった小さな変化を感じたら、それは劣化のサインかもしれません。
このような兆候を見逃さず、早めに専門業者に点検を依頼することで、大きなトラブルや高額な修理費用を未然に防ぐことができます。
実は簡単!自然素材の夏メンテナンス

時が経つほど風合いが増し、味わい深くなっていく自然素材の家。一方で湿気や乾燥に敏感な素材も多いため、季節の変わり目にはお手入れが欠かせません。ここでは夏前に行いたい、「漆喰壁」と「無垢床」のメンテナンス方法についてご紹介します。
漆喰壁のメンテナンス
漆喰壁は静電気を帯びにくく、ホコリがつきにくい特性がありますが、定期的なケアで美しさを保ちましょう。夏前には羽ぼうきや乾いた柔らかい布でホコリを優しく払うだけで白さが際立ちます。水拭きは漆喰を傷める原因になるため避け、乾拭きを基本にしてください。
漆喰は吸湿性に優れており、湿気を吸収する性質があります。梅雨から夏にかけては特に湿気を取り込みやすいので、定期的な換気で壁に負担をかけないよう気をつけましょう。窓を開けた換気とあわせて、扇風機やサーキュレーターで室内の空気を循環させると効果的です。
無垢床のメンテナンス
素足で過ごす夏は、無垢床の気持ちよさが実感できる季節です。
無垢床の日々のお手入れは、掃除機でホコリを取り除き、乾拭き程度でOK。必要に応じて固く絞った布で拭くこともできますが、木材が水分を吸収して膨張する可能性があるため、乾拭きを中心にするのが理想的です。半年に1回程度、専用のオイルを塗ってあげるとツヤと保湿が戻り、木の表情がいきいきと育ちます。
また無垢材は、直射日光や熱で変色することがあるため注意。床の美しさを長く保つためには、カーテンやブラインドで日差しを調整する、ラグを敷くなどの対策が必要です。
夏前のメンテナンスで快適な住まいを守ろう

夏前のメンテナンスは、住まいを長持ちさせるための大切な準備です。手間を惜しまず、愛着を持って手入れをしていけば、家は何十年も家族を包み込み続けてくれます。ぜひ、季節ごとに「家時間」を楽しみながら、住まいに手をかけてみてください。
HARMONYでは、自然素材を活かした住まいづくりとともに、入居後も続くアフターサポートを大切にしています。季節の変わり目のお手入れのアドバイスや、専門的な点検が必要な箇所のサポートまで、お客様の暮らしに寄り添ったサービスをご提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。
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