2026.3.24 Tue
- 家づくりの疑問
2026年春、家づくりはどう変わる?省エネ基準義務化で問われる「健康で快適な住まい」とは

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2025年の法改正で、新築住宅に「省エネ基準への適合」が義務付けられました。これまで断熱性は、より快適な暮らしを実現するためのプラスアルファの性能として考えられてきましたが、今後はどの家も当たり前に備えていくものになります。
しかし、断熱性を高めるだけでは、本当に快適な住まいになるとは限りません。
そこで今回は、これから家づくりを考えている方に向けて、数値だけでは測れない心地よさや健康的に暮らせる住まいのポイントをわかりやすく解説します。
省エネ基準義務化から1年|「基準適合」が家づくりのスタートラインに

これまでも、断熱性能は快適な暮らしを求めるために家づくりに積極的に導入されてきました。しかし、どこまでこだわるかは建て主の判断に委ねられていたため、新築でも建物ごとの性能にばらつきがあるのが一般的でした。
省エネ基準適合の義務化により、2025年以降、基準を満たさない住宅は建築できません。この法改正は、地球温暖化防止のために2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル実現」を目指した取り組みの一つです。
この取り組みの目的は、住宅の断熱性を高めて冷暖房効率を上げ、無駄なエネルギー消費を抑えること。今や省エネ基準への適合は家づくりに必要不可欠な条件となり、断熱性能はもはや付加価値ではなく、「標準」で備える時代に入りました。
数値上の「暖かさ」が「心地よさ」とは異なる理由

「暖かさ」は主観的な感覚のため、住宅の快適さを表す指標として「UA値(外皮平均熱貫流率)」などの数値がよく用いられます。これらは住宅の性能を考えるうえで重要ですが、実際に暮らしたときの心地よさは、数値だけで決まるものではありません。
ここからは断熱性能のメリットを整理したうえで、なぜ快適さに差が生まれるのかを一つずつ見ていきます。
UA値が低い=断熱性が高いと、どんなメリットがある?
UA値とは、住宅の断熱性を表す数値の1つです。壁や窓・床・天井など、建物を構成する部分からどれほど熱が逃げやすいかを示していて、UA値が低いほど熱が外へ逃げにくく、断熱性が高いことになります。
断熱性が高い家は外気温の影響を受けにくく、室温も安定します。主なメリットは、以下の通りです。
- 冷暖房が効きやすく、光熱費の節約につながる
- 部屋ごとの温度差が生じにくい
UA値は、断熱性の高さを示す「断熱等級」の評価基準として使われ、省エネ性を示す指標にもなっています。断熱性に優れた家は1年を通して快適に過ごせるだけでなく、高い省エネ性で光熱費の負担も抑えられる住宅です。
UA値を含む、住宅性能をあらわす数値については以下の記事で解説していますのでご覧ください。
それでも寒さや不快感を覚える理由
数値が優れていたとしても、実際に住みはじめると「思ったより暖かくない」と感じるケースがあります。これは、断熱性能以外の要素が影響する「心地よさ」の違いが大きな理由です。
たとえば、断熱性能が同じで室温20℃の空間でも、「暖かく感じる家」と「どこか肌寒い家」があります。部屋を心地よいと感じるかどうかは、単に暖かさの数値だけで決まるわけではありません。フローリングから伝わるぬくもりなど、目に見えない環境の変化も住まいの印象に大きく影響するためです。
- エアコンの風が直接あたり、肌寒さを感じる
- 床の表面温度が低く、触ると冷たく感じる
- 空気が乾燥し、体感温度が下がる
室内の風の流れや床の素材、空気の湿度も快適さを左右する要素です。数値で表す断熱性能や省エネ性能が標準になる中、今後は体感温度やぬくもりといった「暮らしの質」に関わる要素が「心地よさ」の決め手になっていきます。
自然素材がつくる「健康で心地よい」室内環境

住まいの快適さは、断熱性能だけでなく、室内の空気の質にも左右されます。住宅の高気密・高断熱化によって昔よりも室温は安定しやすくなりましたが、「乾燥しやすい」「空気がこもる感じがしてリラックスできない」と感じる方もいます。
そこでおすすめしたいのが、無垢材や塗壁など、自然素材を使った家づくりです。見た目の美しさだけでなく、室内環境を整える目的でも、自然素材は大きな魅力を持っています。
無垢材|蓄熱性の高さが育む暖かさ
無垢材とは1本の木から切り出した木材のことで、木目の美しさや質感など木本来の魅力を存分に感じられるのが魅力です。複数の板をはり合わせた合板の板材と比べて、厚みのある無垢材は熱をゆっくりと吸収・放出するため、蓄熱性が高いのが特徴です。
そのため寒い季節でも床が冷たくなりにくく、サラサラとした触り心地で素足でも心地よく過ごせます。また、木そのもののぬくもりや美しい木目が、心からくつろげる空間をつくり出します。
合板と無垢フローリングの違いについては、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
>>合板フローリングと無垢フローリングの違いとは?メリット・デメリットをご紹介
塗壁|湿度を整えて一年中快適に
漆喰や珪藻土などの自然素材を使った塗壁には、空気中の湿気を吸収・放出する調湿効果があります。たとえば湿度の高い梅雨時は空気中の余分な湿気を吸い取り、乾燥する冬は湿気を適度に放出してくれるため、年間を通して快適な室内環境を保ちやすいです。
また、塗壁は冬場の結露を防いだり、乾燥によるのどや肌への負担を軽減したりする効果も期待できます。
機械に頼りすぎない「パッシブ設計」という考え方

室内を快適にする設備としてエアコンや床暖房などがありますが、エアコンの風による不快感や、乾燥が気になる方も少なくありません。そこで注目したいのが、自然の力を活かした「パッシブ設計」という設計手法です。パッシブ設計では、太陽光や風の流れを上手に利用し、余分なエネルギーを使わずに快適さを追求します。
たとえば南側に大きな窓を配置して日差しを取り入れ、深い軒やひさしで直射日光をコントロールすると、冬は暖かく過ごせますし夏は急な温度上昇を防ぐのにも効果的です。また窓の配置や高さを工夫することで、家全体に自然な風の通り道が生まれ、湿気がたまるのを防いで快適な住まいを実現します。
HARMONYでは、このパッシブ設計を取り入れた家づくりを実践しています。パッシブ設計の詳しい特徴やHARMONYのこだわりについては、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。
>>「快適」と「省エネ」を両立するパッシブデザイン住宅を徹底解説
2030年には「ZEH基準への引き上げ」も|将来の資産価値を考えた家づくり
2025年以降、省エネ基準への適合が義務化されましたが、さらに5年後の2030年には「ZEH(ゼッチ)基準」への引き上げも検討されています。ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」のことで、省エネ性と太陽光発電などのエネルギー創出を組み合わせ、年間のエネルギー消費量をゼロにする住宅です。
2025年の時点では断熱等級4~7が基準でしたが、ZEH基準になると断熱等級5~7が求められる可能性もあり、基準がさらに引き上げられる見通しです。
断熱性の高さが当たり前となる中、将来の資産価値を守るためにも「心地よさ」を重視した家づくりが求められます。数値だけでなく、無垢材など自然素材のぬくもりや、自然環境を取り込むパッシブ設計により、住宅の付加価値も高まります。
これからの家づくりでは、断熱性や省エネ性だけでなく、さらに一歩進んだ「心地よさ」をどのように追求するかが重要なポイントです。自然素材の肌触りや、自然の力を活かすパッシブ設計で、長く安心して暮らせる家を目指す工夫が求められます。
HARMONYで実現する、省エネ基準の先にある快適な住まい

2025年の省エネ基準義務化により、これからの家づくりでは省エネ性能を備えることが標準になりました。しかし、本当に大切なのはその先にある「心地よさ」や健康的に暮らせる住環境です。
断熱性能を高めることで実現できるのは、季節を問わず快適に過ごせる住まいです。そのうえで、無垢材や塗壁などの自然素材や、自然環境を活かすパッシブ設計を取り入れることで、機械に頼りすぎずに暮らす快適さを感じられます。
HARMONYでは、三重県の気候風土を活かしたパッシブ設計や自然素材を取り入れ、省エネ性能を満たした機能的な家づくりを提案しています。省エネ基準のその先にある快適な心地よさに包まれた住まいをお求めの方は、HARMONYまでお気軽にお問い合わせください。
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