2025.6.06 金
梅雨とYシャツと住まい
こんにちは。津店設計の藤林です。
6月に入り、今年もそろそろ梅雨入りの気配を感じる季節になりましたね。
雨が続くこの季節、設計者としても「住まいの快適性」をあらためて考えるタイミングだと感じています。
今日は、そんな「梅雨と(Yシャツと)住まい」にまつわるお話を、少しだけさせていただきます。

梅雨と聞いてまず思い浮かぶのは、「湿気」「カビ」「洗濯物が乾かない」「じめじめした空気」など、
どちらかというとマイナスのイメージが多いですよね。
でも、実はこの時期こそ、家の設計や性能の良し悪しが如実に現れる季節でもあるのです。
例えば、
・玄関や収納内の湿気対策ができていないと、においやカビの原因になります。
・「室内の空気の流れ(換気)」がうまく設計されていないと、家全体がどんよりして不快に。
・断熱・気密性能が不足していると、冷房してもベタついた空気が残ったり、逆に冷えすぎたり。
こうした問題は、実は設計や仕様である程度防ぐことができます。
私たち設計士が、梅雨に備えて家づくりの中で意識していることをいくつか挙げてみます。
「通風計画(風の通り道)を意識した窓配置」
→ 窓をただ南向きに配置するだけでは、空気は動きません。
風の入口と出口をしっかり考えることで、 無風の季節でも自然な空気の流れが生まれます。
「調湿性能のある内装材の選定」
→ 「調湿壁紙」「漆喰・珪藻土といった塗り壁」「エコカラット」など・・・
余分な湿気を吸ったり吐いたりしてくれる素材も豊富。
見た目と機能を兼ねた内装材の提案も増えています。
「部屋干し(Yシャツも)を前提にしたランドリースペースの設計」
→ 天気を気にせず洗濯物を干せる場所があるだけで、梅雨のストレスがグッと減ります。
除湿機や乾燥機を置くスペース、風が通る位置に物干しを設けるのもポイントです。
あと、エアコンの付いた部屋と続き間とするのもひとつの方法ですね。
「換気システムの活用」
→ 私のおすすめは「ダクト式の第3種換気システム」
空気の吸排をコントロールしやすく、湿気のこもりやすい空間も計画的に換気できます。
家づくりでは、「見た目」や「間取り」ももちろん大切ですが、
実は「湿度」「空気の流れ」「におい」など、感覚的な快適さも、毎日の暮らしに大きく影響します。
梅雨の時期に不快に感じる場所があるなら、それは家づくりで改善できる可能性があるということ。
もし今後家づくりを考えている方がいれば、
「梅雨でも快適に過ごせる家」という視点も踏まえ、設計相談をしていただくのもひとつかと思います。

設計部長
藤林 信之
NOBUYUKI FUJIBAYASHI