高気密高断熱住宅で考える「窓・庇・シェード」の暑さ対策

こんにちは。津店設計の藤林です。

今回は真面目にHARMONYのお家の暑さ対策について語ってみようと思います。

 

夏になると、「窓を開けて風を通せば涼しくなる」と思われる方も多いですが、高気密高断熱住宅では少し事情が違います。
外気温が高い状態で窓を開けると、かえって暑さを室内に取り込んでしまうこともあるのです。

最近は特に暑すぎますからね💦
そこで大切なのが、家づくりの段階での日射遮蔽適切な開口計画です。


窓は「必要な場所に、必要な分だけ」

窓は明るさや風通しを確保するために欠かせない一方で、断熱・気密性能の弱点にもなります。
特に夏は、直射日光が差し込むことで室内温度が一気に上昇します。

夏場に窓のあるトイレはやたらと暑い💦なんて経験をした人は多くないですか?

お掃除の観点・冬の結露対策も踏まえて、トイレ・浴室への窓設置は無しにする方も増えていますが、夏の暑さ対策としても効果はあります。
私たちは、むやみに窓を多くせず、必要な採光と通風を確保できる配置を提案しています。

  • 南側の窓:庇で日射をコントロールしやすいため推奨。主に家族が集まるリビングは南側に窓を設置します。
  • 東西の窓:太陽の高度が低く、庇の効果が薄いため必要最小限に。目覚めを重視するのか、活用する時間帯(子供は学校終わりの午後に部屋を使う)を重視するのか、東西で特性が大きく異なる。
  • 北側の窓:直達日射がほぼなく、柔らかな光を取り入れられる。夏は暑さの影響が少なく、春・秋は通風用として設置し、南だけでは偏る採光のバランスをとる意味でも有効。


南面には庇、東西にはシェードを

南側の窓には庇を設けることで、夏の高い太陽光は遮り、冬の低い太陽光は室内に取り込むことができます。
一方、東西の窓は太陽の位置が低く、庇だけでは日差しを十分に防げません。
このため、窓を小さくするか、シェードなどの外付け対策を組み合わせることが有効です。


シェードは着脱しやすく

当社の標準仕様では、外壁にガルバリウム鋼板を採用しています。
この素材は磁石が付くため、マグネット式フックを使って外付けシェードを簡単に着脱できます。

(錆びたマグネットは外壁を痛めるため使用しないでください。)
季節や天気に合わせて日射をコントロールでき、冷房効率を高められるのが大きなメリットです。


窓性能は「断熱+遮熱」が基本

標準仕様として、当社では以下の窓を採用しています。

  • 樹脂サッシ:断熱性能が高く、外気温の影響を受けにくい
  • Low-Eペアガラス(ブルー):遮熱性能を更に高め、日射による室温上昇を抑える

これにより、窓からの熱の出入りを最小限に抑えられます。


窓の種類と特性(簡易ガイド)

窓の種類 特徴 暑さ対策面のポイント
引き違い窓 サイズの大きい窓に対応可能。開閉しやすく換気しやすい 気密性はやや劣るため、高気密住宅では最小限に
縦すべり出し窓 縦長の窓に対応。外側に開き、風を効率的に取り込みやすい 雨の日も換気しやすい。西日の入りやすい位置は注意
横すべり出し窓 横長の窓に対応。外側に水平に開き、開けっ放しでも雨が入りにくい 夏の日射をある程度防げるが、風は取り込みにくい場合も
FIX窓(はめ殺し) 開かないため気密性・断熱性が高い。デザイン自由度が高い 採光専用。熱の出入りは少ないが直射日光対策が必要
高窓 明るさを確保しつつ視線を遮れる 夏場は熱がこもるため、日射遮蔽が必須
北面の窓 柔らかい安定した光を取り入れられる 夏の日射熱はほぼないが、冬の採光源として有効


 

まとめ

高気密高断熱住宅では、風を通すよりも日射を遮ることが効果的な暑さ対策です。

もちろん快適に過ごせる外気温の季節もあるので、家全体で通風を計画します。
窓の位置・大きさ・種類、そして庇やシェードの活用を組み合わせることで、夏も快適な住環境を実現できます。

家づくりの段階でこうした工夫を取り入れておくことで、毎年の夏を涼しく、冬も暖かく過ごせる住まいになります。

 

窓の選択に関してはもちろんこれが全てという訳ではありませんし、生活する人の考え方やライフスタイルにより最善が異なります。

今後、日本の気象もどのように変化していくのか、どのような窓の商品が出るのか、そういったことでも考え方は常に変化していくとも思います。

今回のブログの内容は、「現在」のひとつの目安として捉えていただければと思います。

藤林 信之

設計部長

藤林 信之

NOBUYUKI FUJIBAYASHI

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