「こうしたい」をすべて形に。 愛犬との暮らしを極めた、変形地の家
愛犬と心地よく暮らせる、庭のある一軒家を——。
そんな想いから始まったI様邸は、変形地という条件を「東に庭を開く」という発想で活かし、光と風をたっぷり取り込む住まいになりました。勾配天井や大容量の土間収納、そして細部までこだわり抜いたキッチン。家族の「こうしたい」を一つひとつ丁寧に形にした、暮らしを楽しむための住まいです。

「南を閉じて、東に開く。」
南側にマンションが建つ、変形地。当初は不安もあった土地でした。
マンションは出入り口のドア側がこちらを向いているため視線は気になりにくく、当初は南に大きな窓を設ける案も。けれど、夏の午後の強い日差しと視線をやわらげることを優先し、庭は東側へ。
南に閉じて、東に開く。 土地の条件に合わせて向きを選び直すことで、変形地は暮らしやすさの味方になりました。朝夕のやわらかな光が室内まで届き、夏は夕方に影が落ちる。
「住んでみると、変形地であることは全く感じない」とご夫妻は話します。

「広い家」ではなく、「愛犬と、のびのび暮らせる家」を。

LDK+東側の庭。プライバシーを守りながら、光をたっぷり取り込む
さらに、津波や洪水のリスクにも配慮し、高台の土地を選びました。海・山・大きな川が近い地域だからこそ、津波、洪水、内水氾濫、土砂災害まで見据えた慎重な土地選びを重ねています。
「これからも安心して、長く暮らせる家にしたい」という想いを大切に、土地の特徴を活かしながら、心地よく暮らせる住まいへ。もしもの時の『安心』と、毎日の『快適』を両立させました。
表庭と裏庭のある暮らし

東側の庭とLDK。外からの視線を気にせず、愛犬と心地よく暮らす
この家で大切な存在になっているのが、庭です。
表庭と裏庭をつくりながら、愛犬と暮らしやすい家を変形地にどう置くか。 そのバランスは、プランニングで最も時間をかけた部分でもあります。
東側に開いた庭には芝生を敷き、夏でも過ごしやすい場所に。暑い日も愛犬と一緒に外での時間を楽しめます。高い位置に設けた窓からも自然光を取り込み、日中はリビングいっぱいにやわらかな光が広がります。庭でコーヒーを飲みながら、ゆっくりと過ごすことも。
「愛犬と暮らしたい」という想いから生まれた、家族のお気に入りの場所です。
光あふれる、勾配天井のLDK
家づくりの当初から「これだけは」と譲れなかったのが、勾配天井。ラワン合板を用いた勾配天井が空間に高さを与え、東側の庭からの採光と相まって、日中は照明がいらないほどの明るさを実現しています。化粧柱・化粧梁はあえて見せ、木の表情を空間のアクセントに。どこに座っても居場所になる、開放感のあるLDKです。

勾配天井のLDK。化粧梁と間接照明、中庭からの光が心地よい
家事を軽くする、廊下のない動線

「とにかく家事を楽にしたい」という想いから、廊下を極力なくした間取りに。ランドリーとウォークインクローゼットを近接させ、乾燥機で乾かした服を、そのままハンガーでクローゼットへ。扉を減らしたことで各室がひとつながりになり、移動も掃除も軽やかです。


暮らしがシームレスにつながる動線
二人で立つ、L型キッチン
料理とお酒を楽しむご夫妻にとって、キッチンは暮らしの中心となる大切な場所。
壁付けのL型キッチンは、二人で並んで作業しても動きやすく、シンク・食洗機・コンロの行き来もスムーズです。休日には、夕方からお酒を片手にゆっくり料理を始めることも。ダイニングとの距離も近いため、できた料理をすぐに運べたり、キッチンでつまみ食いを楽しんだり。料理をする時間から食卓を囲む時間まで、自然につながるキッチンです。

壁一面には深いグリーンのボーダータイル(名古屋モザイク「華窯ボーダー」)を張り、木の面材とステンレスの天板を合わせて、道具のように使い込めるキッチンに。キッチンパネルを使わずタイルで仕上げているため、水まわりでありながら、素材の質感がそのまま空間の表情になっています。カウンターにはフリー板を用い、既製品にはない厚みと木目の表情を残しました。
オープンな飾り棚に並ぶのは、お気に入りの器やカラフルなマグ、そして思い出のワインのボトル。結婚式で出したもの、食事会で飲んだもの、いただいたもの、美味しかったから忘れたくないもの——一本ずつに時間が結びついていて、棚を眺めるだけで会話が生まれます。「見せる収納」が、そのまま暮らしの記録になっている場所です。
ハイサイドの横長窓から光が抜け、日中は手元まで明るく。夜は勾配天井とブラケット照明が、ぐっと落ち着いた雰囲気に切り替えてくれます。


深いグリーンのタイルと木、ステンレス。素材の重なりでつくるキッチン
"好き"を貫いた、素材とディテール
自然素材を標準とするHARMONYの家。I様邸ではそこからさらに踏み込み、場所ごとに木の樹種を使い分けています。1階LDKはウエストコーストバーチ、2階や寝室はピノアース。異なる素材や樹種を組み合わせても、全体が自然に調和する空間です。
タイルもLDKには名古屋モザイクの「華窯ボーダー」、洗面コーナーには平田タイルの「アレグロ」を選び、遊び心のある差し色に。


場所ごとに使い分けた樹種の床と、アクセントタイル
気持ちが切り替わる、玄関までのアプローチ
駐車場から玄関までのアプローチは、あえて距離を残しています。玄関を開けるとすぐLDKにつながる間取りだからこそ、外から家の中へ気持ちを切り替える時間を、建物の外に設けています。
木々のアーチを抜けながら、少しゆったりと歩く時間。旅館やホテルが入口からすべてを見せずに、一度視線を受け止め、少し歩かせるように——その閾(しきい)の距離を、この家では外のアプローチが担っています。


無骨な外観に映える、鮮やかな差し色
外観は、倉庫や工場を思わせる無骨な佇まいに。シルバーのガルバリウム鋼板を採用し、シンプルでありながら印象に残る外観に仕上げています。
アクセントとなるのは、鮮やかな黄色の玄関ドア。シルバーの外壁とのコントラストが、住まいに個性を添えています。
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